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利益成長に向けたコア事業の深化と周辺収益事業領域への進出
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
当社グループは、2050年に創立100周年を迎えます。節目となる100周年に向け、マイルストーンとして2030年に売上高3,000億円という目標を掲げ、その達成を目指していきます。
私たちがコア事業を展開する住宅領域は、少子高齢化による人口減少、未婚化・晩婚化に伴う単身世帯の増加等の影響から、新設住宅着工戸数は年々減少傾向にあり、2023年度の80万戸から2040年度には60万戸を割り込むとの予測も出されています。このように、市場の縮小が既定路線となるなか、「成長と進化」を遂げるためには、まず、コア事業で安定的な収益を確保していくことが求められます。
建築資材事業においては、創業時より培ってきた製材メーカーとの調達ネットワークと全国に展開する木材流通プラットフォームの活用により、躯体材の更なる受注拡大を図ります。また、躯体材の供給力を武器として、建材・住宅設備機器、エネルギー関連商材などを含めたトータル受注を図るほか、施工まで合わせて受注するなど、住宅1棟当たりの納材シェアの拡大に努めます。
住宅事業においては、マンションや一戸建住宅など、安全・安心で快適な住宅の供給により、良質なストックの形成に寄与するとともに、マンションや賃貸物件の管理事業を通じ、安定した収益基盤の構築に取り組んでいます。また、総合不動産業への転換を図り、木質化リノベーションによるマンションの買取再販や、一棟収益物件の取り扱いなど、収益力の更なる向上を図っていきます。
中長期的な事業ポートフォリオ
成長投資と株主還元
キャッシュ・アロケーション
事業運営に必要な運転資金の水準を約250億円と見込み、余剰現金と「中期経営計画2023」の計画期間(2024 年3月期から 2026 年3月期)におけるフリーキャッシュフローを原資として、M&Aや研究開発投資、更には、IT投資、設備投資、人的資本投資等の成長投資に振り分けるとともに、安定的した株主還元を行っていきます。
具体的には、株主還元に22億円以上を充て、残りを既存事業に係る成長投資及び新規事業投資に配分していく計画です。既存事業に係る成長投資として、IT投資に25億円以上、設備投資に85億円以上、人的資本投資に5億円以上を充てていきます。そして、新規事業投資として、M&Aや研究開発投資等に100億円以上を充てていく計画としています。
キャッシュ・アロケーションについては、中長期的な財務健全性を維持しながら、営業活動によるキャッシュの創出、保有資産の整理、有利子負債の効果的な活用などを通じて生み出した原資を様々な成長投資に分配しつつ、社員や株主への還元を行っていくことを基本的な方針としています。
環境目標の達成に向けて
国産木材の利用促進、環境配慮型商品の利用拡大
当社グループは、木材流通をルーツとする企業として、事業を通じて脱炭素社会の実現を図り、地球温暖化の抑制に貢献していきます。国産木材の利用意義の普及と需要創造を図り、更なる利活用の拡大に努めるとともに、太陽光発電システム等の環境配慮型商品の利用拡大や、地域の住宅供給会社のZEHへの取り組みを更にサポートしていきます。
昨年5月には、「ナイスグループ環境目標」を策定しました。バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量について、2050年までに実質ゼロとすることを目指しています。電力の実質再生可能エネルギーへの切り替えや、全国8カ所に所有する社有林「ナイスの森®」のCO2吸収量が増加したことで、2024年3月期には自社グループ排出量のカーボンニュートラルを達成しました。
引き続き、事業活動を通じた温室効果ガス排出量の削減に努めるとともに、社有林「ナイスの森®」の保有面積及び植林面積の拡大によりCO2吸収量の増大を図り、社会全体の温室効果ガス排出量の削減に努めていきます。
人的資本経営の推進
主体的な風土の確立に向け、キャリア形成をサポート
当社グループの最大の財産は人材であり、100年企業に向けて「成長と進化」を遂げていくには社員の成長が不可欠です。
一人ひとりが個性を生かし、自らの能力や強みを発揮して活躍する主体的な風土の確立を目指し、人材への投資を積極的に行い、社員のキャリア形成をサポートしていきます。そのために、タレントマネジメントシステムの導入を図り、社員のスキルや強み、経験等の情報を一元管理し、分析・活用できる仕組みを整備していきます。また、社員がキャリア志向について自己申告できるようにすることで、キャリア自律を促すとともに、人材配置の最適化を行っていきます。
併せて、事業戦略との連動のもと、キャリア採用の強化を通じ、DX人材や研究開発人材など必要な知見を有する人材を獲得しつつ、社員の主体的な学びの場を提供することで、多様な経験や知見をもつ人材が集う組織として、ケイパビリティの向上に取り組んでいきます。
ステークホルダーの皆様へ
著しい環境変化と、それに伴う社会課題が山積する現在において、ステークホルダーの皆様からの信頼に応え続けながら、社会課題の解決に取り組み、価値を共創していける企業こそが、持続的な成長により進化を遂げることができると考えています。
そのためにも、当社の競争優位性の源泉である木材の利活用をはじめ、前述の取り組みを通じて「成長と進化」を遂げるべく、社長として全力で取り組んでまいります。また、事業の方針や進捗、サステナビリティの取り組みなど、様々な情報発信とともに、ステークホルダーの皆様との対話を強化してまいります。
当社グループは、企業理念である「私たちは 信頼を礎に、豊かな住まいと暮らしを実現します」に基づき、住まいと暮らしの領域を通じた事業活動を通じて、すべての人びとのあふれる笑顔を創り出してまいります。そして、2050年の創立100周年、更にその先の未来に向けて、持続的な成長を図り、企業価値の向上を目指してまいります。ステークホルダーの皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。