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ニュース&レポート

国土交通省 2025年公示地価を発表 全用途平均が4年連続上昇、 上昇率拡大

 都市圏、地方圏共に上昇基調

 国土交通省は3月18日、2025年の公示地価を発表しました。公示地価は、適正な地価の形成に寄与するため、毎年1月1日時点における個別地点(標準地)の1㎡当たりの正常な価格を公示するものです。一般の土地取引に対する価格指標として、また、公共事業用地の取得価格の算定、土地の相続評価及び固定資産税評価についての基準として、社会・経済活動に関わる制度インフラとなっています。

 本調査によると、全用途平均の地価は、全国平均で前年比2.7%増、三大都市圏では、東京圏で同5.2%増、大阪圏で同3.3%増、名古屋圏で同2.8%増と、いずれも4年連続で上昇しました。また、地方圏では、札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方四市で同5.8%増と12年連続で上昇したほか、その他の地域では同0.8%増と3年連続で上昇しました。同省では、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が続いているとしています。

図 公示地価動向

住宅地 堅調な住宅需要で上昇傾向が継続

 住宅地の地価は、全国平均が前年比2.1%増、東京圏で同4.2%増、大阪圏で同2.1%増、名古屋圏で同2.3%増と、いずれも4年連続で上昇しました。地方四市では同4.9%増と上昇幅は縮小したものの、12年連続で上昇したほか、その他の地域についても同0.6%増と3年連続で上昇しました。

 同省は、低金利環境の継続などにより、引き続き住宅需要は堅調であり、特に東京圏や大阪圏の中心部などにおいて高い地価上昇を示しているとしたほか、交通利便性等に優れ、転入者が多い地域では、比較的高い上昇が継続していると分析しています。また、リゾート地・観光地では、外国人向けの別荘・コンドミニアム需要や地元の住宅需要等を背景に、引き続き高い上昇率を記録した地域が見られました。

商業地 店舗・ホテルの需要で都市部は高い上昇率

 商業地の地価は、全国平均で前年比3.9%増、東京圏で同8.2%増、大阪圏で同6.7%増、名古屋圏で同3.8%増と、いずれも4年連続で上昇しました。地方四市では同7.4%増と前年に続いて大幅に上昇したほか、その他の地域では同0.9%増となりました。

 同省は、主要都市における店舗・ホテルなどの需要が堅調であり、オフィスについても空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向によって収益性が向上していることから、地価上昇が継続しているとしています。また、外国人を含めた観光客が増加した観光地では引き続き高い上昇率が見られたほか、再開発事業等が進展している地域では、利便性や賑わいの向上への期待感などから、地価上昇が継続しています。

>国土交通省