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国土交通省 住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会 住宅建設技能者の確保に向けて議論開始
国土交通省は2月5日、第1回「住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会」を開催しました。脱炭素をはじめとする社会的要請や消費者ニーズの観点から、住まいに求められる性能が向上し続ける中、住宅の供給や維持管理に関わる大工等の役割が増している一方で、高齢化等によって地域に根付いた中小工務店や大工といった担い手の不足が懸念されています。こうした背景を踏まえて、同懇談会では、質の高い住まいの安定的な供給や適切な維持管理が行われる社会の実現に向けて、「住宅建設技能者」に焦点を当てた議論がなされます。
このほど開催された第1回の会合では、住宅分野における建設技能者等の現況把握と今後の予測が示されました。これによると、大工の人数は長期的に減少が続いており、2020年には約29.8万人と20年間でおおよそ半減しています。また、24歳以下の若手入職者数も減少傾向にあり、今後もこの傾向が維持された場合には、2050年に約9.4万人にまで減少するとの予測が出されています。更に、他の職種では技能労働者数のピークが40代後半であるのに対して、大工就業者の場合は60代後半がピークとなっており、ボリューム層が退職する時期を迎えているという課題も指摘されています。
同省は今後、住宅建設技能者の分布や、仕事の内容や仕方といった業務形態、抱える課題などを可視化したうえで議論を重ねるとしています。最終的には、今年8月頃を目途に目指すべき姿とそれに向けて必要となる基本的な考え方や具体的な行動について取りまとめるとともに、今年11月頃に予定される住生活基本計画の中間取りまとめへの反映を目指す方針です。