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政府・国土交通省 令和6年度補正予算案が閣議決定 「子育てグリーン住宅支援事業」を新設
省エネ住宅の支援に2,250億円を計上
政府は11月29日、一般会計総額13兆9,310億円となる令和6年度補正予算案を閣議決定しました。本予算案は三つの柱からなり、「日本経済・地方経済の成長」に5兆7,505億円、「物価高の克服」に3兆3,897億円、「国民の安心・安全の確保」に4兆7,909億円が計上されています。このうち、「物価高の克服」の中で、エネルギーコスト上昇に強い経済社会の実現に向けて、家庭・住宅の省エネ・再エネの推進等の方針が示されました。
国土交通省は本方針を受けて、新築住宅について、エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯などに対して、「ZEH水準を大きく上回る省エネ住宅」の導入や、2030年度までの「新築住宅のZEH基準の水準の省エネルギー性能確保」の義務化に向けた裾野の広い支援を行うとともに、既存住宅について、省エネ改修等への支援を実施する方針を掲げました。同省はこれらの取り組みにおける予算として2,250億円を充てるとともに、環境省と連携して省エネ住宅の新築、住宅の省エネリフォームを支援する「子育てグリーン住宅支援事業」を新たに創設すると公表しました。
GX志向型住宅の新築に160万円補助
本事業は、住宅の新築及び既存住宅のリフォームが対象です。新築については、注文住宅・分譲住宅に加えて賃貸住宅も対象に含まれることに加え、全ての世帯のGX志向型住宅に向けて新たに支援がなされます。GX志向型住宅とは、断熱等性能等級「6以上」、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上※」の全てを満たす住宅で、補助額は1戸当たり160万円となります。
そのほか、18歳未満の子を有する子育て世帯または夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯による長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築も支援されます。補助額は、長期優良住宅は1戸当たり80万円、ZEH水準住宅は同40万円で、建替前住宅等の除却を行う場合は、長期優良住宅は同100万円、ZEH水準住宅は同60万円に引き上げられます。
※ 寒冷地等の場合は75%以上も可、都市部狭小地等の場合は再生可能エネルギー未導入でも可、共同住宅は別途回数ごとに設定
2種以上の省エネリフォーム実施が補助要件
既存住宅のリフォームについては、賃貸住宅や買取再販業者が扱う住宅も対象に含まれるほか、補助メニューとして「Sタイプ」と「Aタイプ」の二つの区分が設けられます。開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置の3種を必須工事として、3種全てを実施する「Sタイプ」の補助額は1戸当たり上限60万円、いずれか2種を実施する「Aタイプ」は同上限40万円となります。なお、リフォームにおいては、環境省や経済産業省が行う関連の支援事業とのワンストップ対応を実現し、各事業を組み合わせた利用が可能となります。
今後、補正予算案が国会にて成立したのち、本事業が正式に決定となります。