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ニュース&レポート

国土交通省 2024年都道府県地価調査(基準地価) 住宅地・商業地ともに3年連続で上昇

全国の全用途平均が3年連続上昇

 国土交通省は9月17日、2024年の都道府県地価調査(基準地価)の結果を公表しました。同調査は、各都道府県知事が毎年7月1日時点における基準地の1㎡当たりの価格を調査し、同省が取りまとめるもので、2024年の基準地点数は全国21,436地点となっています。毎年1月1日時点の土地価格を公表する公示地価と並び、土地取引価格の指標とされています。

 同調査によると、全国の全用途平均が1.4%上昇(前年比0.4ポイント増)と3年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。用途別では、住宅地が0.9%上昇(同0.2ポイント増)、商業地が2.4%上昇(同0.9ポイント増)と3年連続で上昇し、いずれも上昇率が拡大しました。

 三大都市圏においては、全用途平均が3.9%上昇(同1.2ポイント増)と4年連続で上昇し、上昇率が拡大しました。住宅地は3.0%(同0.8ポイント増)と3年連続の上昇、商業地は6.2%上昇(同2.2ポイント増)と12年連続の上昇となり、上昇幅が大きく拡大しました。

都道府県別地価変動率(住宅地)

地方四市除いた地方圏で全用途平均が32年ぶりに上昇

 三大都市圏以外の地方圏においては、全用途平均が0.4%上昇(同0.1ポイント増)し、用途別では、住宅地が0.1%上昇、商業地が0.9%上昇(同0.4ポイント増)と、いずれも2年連続で上昇しました。

 このうち、札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方四市では、全用途平均が6.8%上昇(同1.3ポイント減)、住宅地が5.6%上昇(同1.9ポイント減)、商業地が8.7%上昇(同0.3ポイント減)と、いずれの用途でも12年連続で上昇したものの、上昇幅は縮小しました。地方四市を除くその他の地域においては、全用途平均が0.2%上昇(同0.2ポイント増)と32年ぶりに上昇に転じたほか、住宅地は0.1%下落(同0.1ポイント増)したものの下落率は縮小し、商業地は0.5%上昇(同0.4ポイント増)と2年連続で上昇しました。

店舗需要やインバウンドが拡大、全国商業地の54%で上昇

 用途別の詳細を見ると、住宅地については、低金利環境の継続などにより住宅需要は引き続き堅調であり、特に大都市圏の中心部などにおける地価上昇傾向が強まっています。圏域別に見ると、東京圏では3.6%上昇(同1.0ポイント増)、名古屋圏では2.5%上昇(同0.3ポイント増)と4年連続で上昇し、大阪圏では1.7%上昇(同0.6ポイント増)と3年連続で上昇しました。また、人気の高いリゾート地では、別荘やコンドミニアムに加え、移住者用住居などの需要が増大し、高い上昇率が見られました。

 商業地については、全国の調査地点のうち、54.6%で地価が上昇しました。主要都市において店舗やホテル、オフィスなどの需要が堅調に推移したことで地価上昇が継続したことや、インバウンドを含めた観光客の回復傾向を受け、多くの観光地で地価が上昇したこと等が要因と見られています。また、再開発事業等が進展している地域では、利便性・繁華性向上への期待感から地価上昇傾向が見られたほか、都市中心部ではマンション需要との競合により高い上昇となった地点が見られます。圏域別では、東京圏では7.0%上昇(同2.7ポイント増)と12年連続で上昇し、名古屋圏では3.8%上昇(同0.4ポイント増)と4年連続上昇、大阪圏では6.0%上昇(同2.4ポイント増)と3年連続で上昇しました。

>国土交通省