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国土交通省・経済産業省・環境省 「住宅省エネ2024キャンペーン」 交付申請状況に応じて早めの手続きを推奨
国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携による住宅の省エネ化支援策「住宅省エネ2024キャンペーン」の交付申請がスタートし、専用ポータルにおいて交付申請状況などの最新情報が随時公開されています。今回は、本キャンペーンの概要や最新の交付申請状況(7月8日時点)に加えて、6月28日に受け付けが開始されたワンストップ申請の特長などについてご紹介します。
省エネポータルで最新の状況を確認
住宅省エネ2024キャンペーンは、「子育てエコホーム支援事業」「先進的窓リノベ2024事業」「給湯省エネ2024事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の四つの事業で構成されています。交付申請等の手続きについては、各事業に登録した事業者が、事務局が提供するWEBシステム「住宅省エネポータル」上で行います。
交付申請の受付期間は、遅くとも12月31日までとされていますが、予算の上限に達した段階で締め切りとなります。予算に対する補助金申請額の割合(概算値)は、子育てエコホーム支援事業の新築が30%、リフォームが20%、先進的窓リノベ2024事業が17%、給湯省エネ2024事業が38%、賃貸集合給湯省エネ2024事業が1%未満となっています(図1)。補助金申請額の推移については、各事業の専用ポータルで随時確認することができますが、終了直前には申請が殺到することも予測されるため、早めの対応が呼びかけられています。
6月28日よりワンストップ申請開始
リフォーム(戸別)に関するワンストップ申請の受け付けが、共通ポータルにおいて6月28日より開始されました。ワンストップ申請とは、各事業の交付申請を適正かつ効率的に作成することができる補助ツールです。住宅省エネ2024キャンペーンを構成する四つの事業はそれぞれ独立した補助事業であり、各事業の併用においてはそれぞれの事務局に対して交付申請を行う必要があります。同じ製品であっても事業によって補助額が異なるため、複数の事業にまたがるリフォーム工事を行った場合は、どの事業に交付申請するかについて、施工業者が判断して手続きを行う必要があります。この点、ワンストップ申請は、一つの契約に基づくリフォーム工事に関する情報をまとめて登録することで、最も補助額が高い組み合わせを計算し、各事業の交付申請を一括して作成・提出することが可能です(図2)。
一方、各事業の専用ポータルでの交付申請には、操作画面がシンプルで分かりやすく、交付申請の手続きが分かりやすいなどのメリットがあるため、窓や給湯器を含まない工事や複数受注による工事などの場合には、各専用ポータルでの交付申請が推奨されています。
子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図る事業です。
補助の対象となるのは、注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、リフォームで、注文住宅の新築及び新築分譲住宅の購入については、申請時点において、2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯もしくは、申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯です。対象となる新築住宅は、証明書等によって長期優良住宅もしくはZEH水準住宅に該当することが確認できる住宅で、補助額は、長期優良住宅が1住戸につき100万円、ZEH水準住宅が同80万円となります。
また、リフォームについては、「開口部の断熱改修」「外壁、屋根・天井または床の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」のいずれかを必須として、子育て対応改修や防災性向上改修、バリアフリー改修といったリフォーム工事が補助の対象となります。補助の上限額は原則として1戸当たり20万円ですが、子育て世帯または若者夫婦世帯が自ら居住する住宅にリフォーム工事を行う場合のほか、既存住宅を購入した上でリフォームを行う場合または長期優良住宅の認定を受ける場合には、上限額が引き上げられ、最大で60万円となります。
先進的窓リノベ2024事業は、断熱窓への改修の促進によって既存住宅の省エネ化を促すことで、エネルギー費用負担の軽減、健康で快適な暮らしの実現及び家庭からの二酸化炭素排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長を実現させることを目的としています。
補助の対象となるのは、住宅における開口部の断熱改修で、本事業の性能要件を満たすことが確認された製品に限られます。住宅の建て方や設置する窓の性能と大きさ、設置方法に応じて定額が補助され、一戸当たり5万円から最大200万円となります。
給湯省エネ2024事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行い、その普及拡大によって「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に寄与することを目的としています。
補助の対象となるのは、一戸建住宅、共同住宅等によらず、新築の注文住宅や分譲住宅、既存住宅に高効率給湯器を設置する工事です。補助額については、導入する高効率給湯器の種類に応じて基本額が補助されます。また、設置する給湯器の性能に応じた額が加算されるほか、給湯器の設置に合わせて撤去工事を行う場合には、その工事に応じた額が補助される仕組みとなっています。
賃貸集合給湯省エネ2024事業は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、特に賃貸集合住宅に対する小型の省エネ給湯器の導入支援を行うことによってその普及拡大を図ることを目的としています。
補助の対象となるのは、既存の賃貸集合住宅1棟当たり賃貸住戸2戸以上の住戸について、従来型給湯器を小型の省エネ型給湯器に交換する工事で、リース利用の場合も含まれます。性能要件を満たした小型の省エネ型給湯器について、追い炊き機能があるものは1台当たり7万円、追い炊き機能がないものは5万円が補助されます。なお、補助の上限は1住戸につき1台までとなっています。