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(一社)全国木材組合連合会 花粉症対策木材利用促進支援事業 スギ材利用の木造一戸建住宅に70万円補助

住宅分野におけるスギ材の需要拡大を目指す

 (一社)全国木材組合連合会は7月5日、2024年度の林野庁補助事業の一つである「花粉症対策木材利用促進支援事業」の事業内容を公表しました。昨年10月に取りまとめられた「花粉症対策初期集中対応パッケージ」では、発生源対策のうちスギ材の需要拡大に向けた施策の一つとして、住宅分野におけるスギ材への転換促進を掲げられています。住宅分野におけるスギ材への転換に当たっては、特に住宅の躯体に利用される木材において、品質や性能の確かな部材であるスギJAS構造材等の利用を図っていくことが必要とされています。

 本事業は、中小工務店等が住宅分野においてスギ製品の利用を図るための取り組みを行う場合に、必要な経費の一部を支援するものです。

年間供給戸数300戸以下の事業者が対象

 本事業の対象となる事業者は、一戸建住宅の供給戸数が年間300戸以下であることや、建設業法の規定に基づき建築工事業または大工工事業の許可を受けた者であること、本事業に関する具体的計画とそれを的確に実施できる能力を有することなどの要件を全て満たす事業者に限られます。

 支援の対象となる取り組みとしては、スギ製品を構造材として利用した設計への変更に伴う構造安全性の検証や、調達先の変更や調達先との協議といったスギ製品の調達に関する調整に加えて、これら2点及びスギ製品を利用する意義に関する建築主への説明が必須項目となります。また、任意項目として、スギ製品の利用に伴う施工時の工夫が求められます(図)。

公募対象となる取り組み

一定量を超えるスギ材の使用が必須

 対象物件は、新築の木造一戸建住宅及び事務所や店舗等の用途を兼ねる住宅です。加えて、一定量以上のスギ製品を利用していることが要件となっており、例えば在来軸組工法の場合には、木造部分の延べ床面積(㎡)に0.081を乗じた材積が基準となります。また、多量のスギ製品を使うことが難しい場合には、本事業において利用する構造材や羽柄材などの木材製品に対するスギ製品の割合を、登録申請日から遡って1年以内に新築した標準的な木造一戸建住宅から10ポイント以上増加させることで、要件を満たすことができます。

 助成金額の算定対象となるのは、本事業の要件を満たす木造一戸建住宅のうち建て方が完了した物件で、5棟を上限として1棟当たり70万円が助成されます。ただし、木造部分の延べ床面積に7,500円を乗じた金額が70万円を下回る場合には、その金額と70万円の差額から1,000円未満を切り上げた金額が減額されます。

登録期間は7月29日~8月2日

 本事業の登録申請期間は、7月29日から8月2日17時までとなっています。登録については事業主単位で行うこととされており、事業主当たり1件に限り登録することが可能です。また、助成金の交付申請については、対象物件の建て方が完了した日から起算して1カ月を経過した日または1129日のいずれか早い日の17時までに、交付申請書等を提出する必要があります。

 なお、本事業の利用事業者は、登録申請書において記載したスギ製品継続利用計画の実施状況について、取り組みが完了した年度から起算して3年間、年度ごとに実施報告書を提出することが義務付けられます。

>花粉症対策木材利用促進支援事業