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厚生労働省・中央労働災害防止協会 2024年度全国安全週間 労使一丸で安全に働くことができる職場環境へ
7月1~7日は「全国安全週間」として定められ、労働災害防止活動の推進を図ることで、安全に対する意識と職場の安全活動の向上が目指されます。今回は、2024年度全国安全週間及び2023年労働災害状況の概略に加えて、ナイスグループにおける安全衛生に関する取り組みについてご紹介します。
スローガンを定めて労働災害の減少を図る
「全国安全週間」は、1928年に初めて実施されてから一度も中断することなく実施され、今年で97回目を迎えます。「人命尊重」という基本理念のもと、労働災害を防止するために産業界での自主的な活動の推進と、職場での安全に対する意識を高め、安全を維持する活動の定着を目的として実施されてきました(図1)。この間、事業場では労使の連携によって労働災害防止対策が展開されており、労働災害は長期的には減少傾向にあります。一方、2023年における休業4日以上の死傷災害は前年より増加しており、過去20年で最多となった2022年を上回っています。特に、転倒や腰痛といった労働者の作業行動に起因する死傷災害が増加傾向にあるほか、墜落や転落などによる死傷災害も依然として後を絶たない状況となっています。
労働災害を少しでも減らし、労働者一人一人が安全に働くことができる職場環境を築くために、引き続き労使一丸となった取り組みが求められます。2024年度は、「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽みんなで築く職場の安全」をスローガンとして定め、全国安全週間が実施されます。実施要綱では、具体的に実施者が取り組むべき事項として、安全衛生管理体制の確立やリスクアセスメントの実施などの「安全衛生活動の推進」、建設業や林業、製造業など各業種における「業種特性に応じた労働災害防止対策」、労働者の作業行動に起因する労働災害防止対策をはじめとする「業種横断的な労働災害防止対策」の三つが示されています。
ガイドライン等の遵守徹底で労働災害を防止
厚生労働省が5月27日に公表した2023年の労働災害発生状況によると、2023年の労働災害による死亡者数は前年比2.5%減の755人となった一方、労働災害による休業4日以上の死傷者数は、135,371人と同2.3%増加しました(図2)。このうち、建設業においては、死亡者数が同20.6%減の223人、休業4日以上の死傷者数が同0.9%減の14,414人といずれも減少しました。建設業における労働災害発生状況の内訳を見ると、事故の型別では「墜落・転落」が最多となっており、全数に占める割合は死亡者数で38.6%、死傷者数で31.6%となりました。また、死傷者数のうち、記録的な猛暑の影響などから、熱中症が含まれる「高温・低温物との接触」が同31.8%増の307人と大幅に増加しています。
同省ではこうした状況を踏まえた対策として、「墜落・転落」による労働災害を防止するために、今年4月に全面施行された一側足場の使用範囲の明確化や足場点検者の指名の義務化等を内容とする改正労働安全衛生規則を含め、墜落・転落災害防止に関する規則について遵守の徹底を図るとしています。また、昨年12月に改定された「手すり先行工法等に関するガイドライン」、今年3月に策定された「木造家屋等低層住宅工事墜落防止標準マニュアル」等に基づく取り組みの適切な実施のほか、フルハーネス型墜落制止用器具の適切な使用の徹底が図られます。
●職場の安全、全国安全週間に関する情報はこちら
ナイスグループにおける安全衛生活動
ナイスグループでは、建設・物流・製造に関連するナイス㈱各部署及びグループ会社で構成する「ナイスグループ中央安全衛生委員会」を設置し、継続的かつ安定的な事業活動の推進に向けて、職場における安全と健康を確保し、快適な作業環境を形成することを目的として活動しています。同委員会では、3カ月ごとに全体会合を開催し、「全国安全週間(7月)」「全国労働衛生週間(10月)」「年末年始労働災害防止強調月間(12月・1月)」「年度末労働災害防止強調月間(3月)」への取り組み準備や、グループ内で発生した労働災害事故の原因分析と再発防止策の共有、熱中症対策などの労働災害防止に取り組んでいます。また、火災防止対策などの注意喚起を行うとともに、各部門の労働安全衛生活動への取り組み状況を共有し、グループ全体の安全意識の向上を図っています。
各部署及びグループ会社では、事業所ごとに安全衛生防火管理計画書を作成し、安全項目ごとに計画的に取り組むとともに、防災対策チェックリストに基づく職場の安全点検の実施や消防訓練の実施の確認などを行っています。また、協力会社の経営者や経営幹部の方にもご参加いただく安全大会を定期的に開催し、ナイスグループの考えや方針を共有し、労働災害の防止に向けた安全な職場環境づくりに取り組んでいます(図3)。