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ナイス㈱ 徳島県、香川県、大倉工業㈱との建築物木材利用促進協定を締結 4者の連携・協力で地域産材の利用を促進
ナイス㈱は5月20日、徳島県、香川県及び大倉工業㈱との4者で「徳島県及び香川県産木材の利用促進に関する建築物木材利用促進協定」を締結しました。今回は、本協定の概要や同日に香川県庁にて執り行われた協定締結式の様子に加えて、昨年12月に締結した大倉工業㈱との協定に基づく設備投資や今後の展開などについてご紹介します。
全国初の都道府県をまたぐ建築物木材利用促進協定
5月20日に締結された「徳島県及び香川県産木材の利用促進に関する建築物木材利用促進協定」は、「都市(まち)の木造化推進法」の成立に伴って創設された「建築物木材利用促進協定」制度に基づくもので、複数の都道府県による建築物木材利用促進協定の締結は、同制度が創設されて以来、全国初の事例となります。
本協定では、2050年カーボンニュートラルの実現や地域における森林資源の循環利用及び持続可能な森林経営等への貢献に向けて、集成材の製造等における地域産材の積極的な利用、原木の安定的な供給に向けた供給体制の構築、地域産材の利用促進につながる情報発信などの取り組みが推進されます。また、これらの取り組みについて、徳島県及び香川県による助言や各種情報提供などの支援がなされます。
締結当日には、香川県庁において協定締結式が執り行われ、後藤田正純徳島県知事、池田豊人香川県知事、大倉工業㈱神田進社長、ナイス㈱津戸裕徳社長ら関係者が出席しました(図1)。締結式では、協定書への署名や写真撮影のほか、両県知事及び各社社長から協定締結における意気込みなどが語られました。
当社としては、本協定における連携・協力によって四国における循環型サプライチェーンを構築し、地域産材の利用促進及び需要拡大を通じて、森林資源の循環利用及びカーボンニュートラルの実現等への貢献を目指していきます。
香川県知事 池田 豊人 氏
2県にまたがる協定は全国でも初の事例であり、木材利用の促進に向けてこの4者が連携して進んでいくことが重要です。両県の木材利用が進むことで、林業振興など様々な効果が期待でき、社会的に意義のある取り組みであると感じています。
徳島県知事 後藤田 正純 氏
大倉工業㈱とナイス㈱によるハイブリッドな製品を提供する取り組みであり、この協定に参画でき光栄に感じています。四国は一つという思いのもと、現在も各県が連携して様々な取り組みが進められていますが、この協定を通じて更に連携を深めていきたいと思います。
大倉工業㈱代表取締役社長執行役員 神田 進 氏
今回の協定を先進的なモデル事業と位置付け、両県から産出される木材の価値創造、地域の魅力の発信に取り組んでいきます。地域産材をふんだんに使用した構造材の需要を創造し、建築物における利用促進に貢献してまいります。
ナイス㈱代表取締役社長 津戸 裕徳
今回の協定において、当社は入口の原木調達やラミナ製造のほか、完成した製品を全国に流通させていく役割を担います。徳島県、香川県から出る良質な木材の価値を全国に伝えるとともに、高まる国産材へのニーズに応えてまいります。
地域材による構造用集成材の供給体制を強化
本協定に先立って、昨年12月13日には大倉工業㈱及び連結子会社であるウッドファースト㈱と、地域材を活用した構造用集成材事業に関する協定を締結しました。
これに基づき、徳島県小松島市に位置するウッドファースト㈱徳島製材工場の敷地内において、構造用集成材の材料となるラミナ(板材)を生産する工場の建設を進めています。新工場建設により、徳島製材工場全体での原木投入量は、昨年度実績である約3万5,000㎥に対して、5年後には約9万㎥まで増加させる計画となっています。また、大倉工業㈱では香川県三豊市において構造用集成材等の木質構造材料を生産する工場の建設が進められており、当社が供給するラミナによって構造用集成材等が生産され、完成された製品については当社が中心となって流通を担っていきます。これらの取り組みを通じて、構造用集成材の供給体制を強化し、住宅における構造材のうち、特に国産材使用比率の低い横架材への利用拡大を図っていきます。
ナイス㈱新工場
建設地 | 徳島県小松島市和田津開町北398他 |
設備内容 | 工場建屋、製品加工機、乾燥機 |
設備投資予定額 | 約18億円 |
生産品目 | 構造用集成材の材料 |
稼働開始 | 2025年4月(予定) |
大倉工業㈱新工場
建設地 | 香川県三豊市高瀬町上麻字原乙333番地17 |
設備内容 | 工場・倉庫、事務所棟、製品加工機、乾燥機、ボイラー |
設備投資予定額 | 約53億円 |
生産品目 | 木質構造材料(構造用製剤・構造用集成材の製品) |
稼働開始 | 2026年4月(予定) |