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ニュース&レポート

ナイスグループ 2023年度のサステナビリティ活動 企業活動を通じた社会・環境課題の解決を推進

マテリアリティを通じたサステナビリティ経営を推進

 ナイスグループは、持続的な成長及び更なる企業価値の向上を目指し、社会的存在意義として「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」を掲げています。この社会的存在意義に基づき、2023年5月には、社会課題の解決の一翼を担うとともに、持続的な成長に向けて優先的に取り組むべき重要な課題として、「カーボンニュートラル社会の実現に向けて」「社会との継続的な共生に向けて」「人と社会から信頼される企業であり続けるために」の3つのテーマからなる9つのマテリアリティを特定しました(下図)。「カーボンニュートラル社会の実現に向けて」では、国産材や環境性能が高い建材・設備等の積極的な流通等による脱炭素社会の実現への貢献、「社会との継続的な共生に向けて」では良質で長寿命な住まいの供給等によるストック型社会実現への貢献、「人と社会から信頼される企業であり続けるために」では人的資本経営や環境経営に関する取り組みを主に進めています。

 引き続き、本マテリアリティを通じて、環境・社会・経済の持続可能性に配慮したサステナビリティ経営を一層推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていきます。

ナイスグループのマテリアリティ表

>ナイスグループ サステナビリティページ

カーボンニュートラル社会の実現に向けて 

 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、日本の潤沢な資源であり、地球温暖化対策として重要な役割を担う木材や、建築物の省エネ化・ゼロエネ化に役立つ建材・住宅設備機器など、環境・社会課題の解決に役立つ「素材」の積極的な流通と、安定的に供給していくためのパートナーシップの構築を通じて、社会全体の温室効果ガス排出量の削減に貢献していきます。

国産材の利用拡大によるサステナブルリカバリーの推進 「木と暮らしの博覧会」で国産材利用の意義を普及啓発

木と暮らしの博覧会

 木は、成長の過程で大気中のCO2を吸収するとともに、吸収した炭素を体内に蓄えています。そのため、木材として住宅や家具等に利用することで、長期間にわたって炭素を固定することができるなど、脱炭素社会の実現に向けて重要な役割を担う、エコマテリアルです。

 ナイスグループは2023年、「木と暮らしの博覧会」をはじめ、国産材に関わるイベントを96回開催するなど、国産材を活用する意義の普及啓発に努めています。更なる利用の拡大と森林の循環利用を図ることで、社会全体の温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。

ウッドデザイン賞2023「経済産業大臣賞」受賞 国産針葉樹材の利用領域を拡大

ウッドデザイン賞2023テーブル

 非建築分野における国産針葉樹材の利用拡大を図っています。ウッドデザイン賞の経済産業大臣賞に輝いたナイスオリジナル商材を用いたテーブル天板をはじめ、暮らしにおけるウッドチェンジを推進しています。

Gywoodロゴ

>「Gywood®」HP

環境配慮型商品やサービスの提供によるエネルギー消費量の削減 建築資材のトータル提案で居住後の排出量削減に貢献

家イラスト

 家庭部門の温室効果ガス排出量の削減に向けては、住宅・建築物の環境性能を高め、居住後のエネルギー使用量の削減が必要です。ナイスグループでは、ZEHに不可欠な建材・設備等のトータル提案とナイスサポートシステムを通じた家づくりのサポートにより、高性能住宅の普及促進に努めています。

社会との継続的な共生に向けて

 社会との継続的な共生を図るため、耐震・健康・省エネに配慮した良質で長寿命な住まいの供給と、適切な維持管理・更新へのサポートを通じてストック型社会の実現に貢献するとともに、行政や地域社会と連携し、地域社会の活性化や課題解決に努めていきます。

木を生かしたレジリエンスな住まいづくり

ノブレスマンション画像

2023年度は、免震マンション2棟・強耐震マンション1棟を供給

 ナイスは、「住まいは命を守るもの」という使命のもと、安全・安心かつ快適で長寿命な住まいづくりにこだわり続けています。マンションについては、免震構造及び耐震強度1.25倍の強耐震構造を採用、災害に強いレジリエンスな住まいづくりを推進しています。

 2023年度は、「ノブレスタワー宇都宮(宇都宮市)」「ノブレスあすと長町(仙台市)」の2棟の免震マンション(左写真)と、強耐震マンション1棟を供給しました。これにより累計の供給棟数は、免震マンションが858,398戸、強耐震マンションが604,048戸となりました。

共用部木質化で、住まう方の暮らしを守り、環境にも貢献

 更に、2023年度に供給したマンションは全て、共用部の木質化を図っています。これにより、木の温かみが感じられる快適な空間を実現するとともに、木材利用を促進することで、住まう方の暮らしを守り、環境に貢献できるマンションづくりを推進しています。

ノブレスマンション概要

耐震等級3+国産材100%の住まいづくり

耐震等級3国産材100住宅概要

 一戸建住宅については、オリジナルのパワービルド工法により耐震等級3を標準とするなど、高い耐震性能を実現しています。更に、長期優良住宅認定を全棟取得しており、強さと快適性、長寿命の三つを並立させています。

 2023年度には、全ての構造材を国産材に切り替えることで、環境性能をより高めた住まいを実現しました。

人と社会から信頼される企業であり続けるために

 人と社会から信頼される企業であり続けるため、自社の持続可能性を追求し、「働きやすさ」と「働きがい」の向上を通じた人材価値の最大化、内部管理の強化による健全かつ透明な経営の確立、事業活動に伴う環境負荷の低減に努めていきます。

事業活動における環境負荷の低減 自社のカーボンニュートラルの早期達成へ

自社の温室効果ガス排出量と吸収量の推移グラ

 気候変動への対応や、地球環境の保全を重要な課題と認識し、事業活動に伴う環境への影響を把握し、環境負荷の低減に努めています。このうち、自社の温室効果ガス排出量(Scope1・2)については、排出量を2021年度比で36%削減し、全国8カ所にある社有林「ナイスの森」のCO2吸収量とオフセットすることにより、2025年度にカーボンニュートラルを達成する目標を掲げて取り組んできました。

 2023年度の自社排出量については、ナイス本社ビルや2カ所のプレカット工場を再エネ化したことなどにより2021年度比で約30%削減され、約8,000t-CO2、社有林の吸収量については、土壌に関する吸収量を含めて精査した結果、当初の想定よりも増加し、約10,000t-CO2となる見込みです。吸収量が排出量を上回ったことにより、早期のカーボンニュートラルを達成できる見通しです。

 一方、自社の排出量について同36%削減するという目標は維持し、引き続き削減に取り組むとともに、2030年目標として掲げたScope3を含めたカーボンニュートラルの達成を目指していきます。

人的資本経営の推進 健康経営優良法人に認定

健康経営優良法人ロゴ.

 ナイス㈱及びナイスコンピュータシステム㈱、ナイス沖縄㈱は、経済産業省等が推進する「健康経営優良法人2024」に認定されました。「健康経営」とは、社員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する経営のことです。 

 引き続き、健康経営の推進を通じて、社員がパフォーマンスを発揮できる職場環境の整備を図ります。

ガバナンスの深化 人権方針・環境方針を公開

 サステナビリティにおけるガバナンスを更に強化していくため、「人権」「環境」という重要なテーマについて、それぞれ「人権方針」と「環境方針」を策定、コーポレートサイトで公開しました。

 今後、同方針に基づき、企業活動に関わる全ての人々の人権を尊重するともに、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

>ナイスグループ各種方針

※1 ナイス㈱が供給する住宅で、構造部分に使用する木材が対象

※2 ナイス㈱が分譲する一戸建住宅で、認定基準のうち「住戸面積」要件により居住面積75㎡未満の住宅及び1フロア40㎡未満の住宅を除く