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ナイス株式会社 第75期(2024年3月期)決算発表
経営成績に関する説明
当連結会計年度における日本経済は、物価上昇の影響を受けつつも雇用・所得環境の改善等により個人消費は底堅く推移した一方、地政学的リスクの長期化や円安の進行等が下振れリスクとなっています。住宅業界においては、建設コストの増加や住宅ローン金利の上昇懸念等により、新設住宅着工戸数が累計で80万176戸(前期比7.0%減少)となりました。当社の連結業績に影響を与える持ち家は21万9,622戸(同11.5%減少)、分譲一戸建住宅は13万3,615戸(同7.4%減少)といずれも大きく減少するなど、経営環境は不透明な状況が続いています。
このような状況の中、当社グループの連結会計年度における売上高は2,258億69百万円(前期比4.4%減少)、営業利益は44億3百万円(同16.8%減少)、経常利益は43億32百万円(同12.5%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億4百万円(同11.2%増加)となりました。
【建築資材事業】
建材・住宅設備機器については、環境配慮型商品の提案営業や工務店様のZEHへの取り組みのサポートに努めたことなどにより、受注が堅調に推移しました。木材については、昨年12月に木材の利用促進と住宅・非住宅木造建築の普及に資する総合展示会「木と暮らしの博覧会」を開催し、森林資源の循環利用と木材のサプライチェーンにおける当社グループの取り組みを広くPRするとともに、国産材の需要拡大に努めましたが、木材価格が低調に推移したことに加え、木造住宅の新設着工が低迷したことなどにより販売量が減少しました。
これらの結果、売上高は1,699億49百万円(同8.0%減少)となり、営業利益は28億69百万円(同29.5%減少)となりました。
【住宅事業】
マンション事業については、「住まいは命を守るもの」という使命のもと、1997年より免震マンションの供給に努めており、仙台市、宇都宮市の新築免震マンションは全戸完売となりました。一戸建住宅事業については、当社の主力エリアである「横浜・川崎エリア」のほか、仙台市、新潟市、宇都宮市、浜松市、豊田市の各営業拠点における販売が堅調に推移しました。既存住宅流通事業については、不動産仲介事業における法人向けサービスの拡充や、首都圏15カ所のネットワークを生かした中古マンションの買取再販事業の推進を図ったほか、マンション総合管理事業では、ナイスコミュニティー株式会社における管理マンション等の修繕工事の完工等が順調に推移しました。
これらの結果、売上高は455億93百万円(同9.8%増加)、営業利益は29億円(同65.1%増加)となりました。
【その他の事業】
その他の事業については、売上高は103億26百万円(同1.6%増加)、営業利益は4億32百万円(同67.5%減少)となりました。
配当の状況
配当については、当初予想を年間50円としていましたが、当期の利益が昨年5月12日に公表した当初の業績予想を上回ったことを踏まえ、10円増配して60円といたしました。また、配当政策を変更し、今後の成長と競争力強化のための資金需要等を勘案しつつ、株主の皆様へは中長期的な持続的成長を通じた累進配当を導入することといたしました。
2025年3月期の配当予想については、中間配当25円、期末配当40円、合計65円としています。
今後の見通し
2025年3月期の連結業績については、売上高2,380億円、営業利益47億円、経常利益44億円、親会社株主に帰属する当期純利益32億円を予想しています。