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国土交通省 「i-Construction 2.0」を策定 建設現場のオートメーション化で生産性向上を目指す
建設現場における省人化対策を推進
国土交通省は4月16日、「i-Construction 2.0」を策定したことを公表しました。同省では、2016年から建設現場の生産性を2025年度までに2割向上することを目指し、建設生産プロセス全体の抜本的な向上に取り組む「i-Construction」を推進しています。今後、更なる人口減少が予測される中、国民生活や経済活動の基盤となるインフラの整備・維持管理を将来にわたって持続的に実施していく必要性があることから、これまでの取り組みを更に一歩進めることを目的として「i-Construction 2.0」が策定されました。
建設現場のデジタル化・見える化を図る
「i-Construction 2.0」では、「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」の3本を柱に、安全で快適な環境における少人数で生産性の高い建設現場の実現を目指し、建設現場のオートメーション化に取り組むとしています(図)。
「施工のオートメーション化」では、建設現場をデジタル化・見える化して建設現場の作業効率の向上を目指すとともに、現場取得データを建設機械にフィードバックするなど双方向のリアルタイムデータを活用し、施工の自動化に向けた取り組みを推進するとしています。短期目標では、現場取得データをリアルタイムに活用する施工の実現、中期目標では、大規模土工等の一定の工種・条件下での自動施工の標準化、長期目標では、大規模現場での自動施工・最適施工の実現が掲げられています。
「データ連携のオートメーション化」では、3Dデータの活用などBIM/CIMによるデジタルデータの最大限の活用を図るとともに、現場データの活用による書類削減・施工管理の高度化、検査の効率化を推進するとしています。具体的には、デジタルツインを容易に整備できるよう国土交通データプラットフォームの連携データを拡充するとともに、データの提供機能を強化する方針です。
「施工管理のオートメーション化」では、プレキャスト部材の活用や施工管理、監督・検査等のリモート化を実現することで、現場作業を省力化し、建設現場のリモート化・オフサイト化を推進するとしています。具体的には、大容量データを円滑に利用できるよう、河川道路管理用光ファイバを活用して日本全国を100Gbpsの高速・大容量回線で接続し、高速ネットワーク環境を末端まで整備する方針です。
2040年度までに新3Kの実現を目指す
国土交通省は、2040年度までの指標として建設現場において少なくとも省人化3割、生産性1.5倍の向上を掲げています。
また、建設現場において多様な人材が活躍でき、未来へ前向きな新3K(給与、休暇、希望)を実現するとともに、建設現場で働く一人ひとりの生産量や付加価値を向上し、国民生活や経済活動の基盤となるインフラを守り続けることを目指しています。