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ナイス㈱ 本社内装木質化リノベーション工事から2年が経過 自然素材ならではの経年美を感じられる空間に

 ナイス㈱は2022年5月に本社ビル内装木質化工事を実施し、間もなく竣工から2年が経過します。同工事では、国産針葉樹に表層圧密技術を施したオリジナル木材製品「Gywood®(ギュッド)」をはじめとした多様な国産材を随所に活用しています。今回は、工事から2年の月日を経た木質化箇所の経年変化などについてご紹介します。

 

自然素材による内装木質化工事

 本社ビルの内装木質化リノベーション工事では、主に国産無垢材を使用しています。昨今は木目調に対するニーズが高まっており、印刷技術の進展により、リアルな木目デザインの新建材が増加しています。そのような中、本物の無垢材をふんだんに使用することで、美しい木目のみならず、自然素材ならではの落ち着きや安らぎ、肌触りを五感で感じることができる空間としました。また、内装木質化は、心や身体にリラックス効果をもたらすほか、知的生産や労働生産に携わる人の集中力を高め、業務等の効率向上に寄与すると考えられています。この度の同リノベーション工事では、これらの木質化による効果・効能についてのエビデンスの蓄積にも努めています。

 また、無垢材を使用することで、時間の流れとともに空間に馴染み、味わい深い変化となる経年美をお楽しみいただけます。

 

形状安定性の高さを実証

 スギをはじめとした針葉樹は、広葉樹と比較すると軟らかく形状安定性に欠けることから、内装や家具など人が触れる機会が多い箇所には使いづらいとされてきました。当社のオリジナル木材製品「Gywood®」は、こうした針葉樹に対する固定観念を払拭し、付加価値の高い用途での需要拡大を目指して開発されました。「Gywood®」は、針葉樹の表層部を特に圧密して高密度化することで、針葉樹本来の衝撃吸収性や軽さはそのままに、硬度や形状安定性を兼ね備えています。1階ロビーの床には、飫肥杉の赤身部分のみを用いた「Gywood®」のフローリングを採用しています。広葉樹のオークと同等の硬度を有しているため、針葉樹の無垢材では難しかった「薄型・幅広」を実現した最大幅193㎜の一枚物の無垢フローリングなどを使用しています。飫肥杉の赤身部分のみを使用しているため、竣工当初は赤みがかった色でしたが、現在はより落ち着きのある色味へと変化しています(図1)。経年によってこうした変化が楽しめるのも、自然素材ならではの特長の一つです。一方で、冷暖房による室温の変化などを受け続けて2年が経過した現在でも、膨張・収縮や反りといった形状の変化はほとんど見られず、形状安定性の高さが実証されています。また、自然素材を長く使っていくためには、日々の手入れや適切なメンテナンスが必要です(図2)。同フローリングには、ウレタン塗装など塗膜でコーティングする塗装ではなく、木材の調湿性を損なうことなく木の香りや手触りを楽しむことができる「オイルフィニッシュ塗装」による定期的なメンテナンスを行っています。

フローリングの色味変化

定期的メンテナンス

 

テーブル天板や棚板として強度を発揮

 2階大会議室では、「ウッドデザイン賞2023」で最優秀賞を受賞した「Gywood®テーブル用天板」を用いて、会議用テーブルの天板を木質化しています。会議等で頻繁に使用されていますが、現在も筆跡等の傷がつくことなく、滑らかな表面が保たれています(図3)。

 また、7階のフリースペースに配置している本棚の棚板の一部として、「Gywood®」のフリー板を使用しています。多数の書籍を収納することで負荷がかかっているにもかかわらず、スチール板と比べてたわむことなく形状を保っています(図4)。

 その他にも、本社ビルでは、無垢材を使用したソファーや家具用テーブルを展示しているほか、パーテーションやスリット材、各会議室の入り口サインに様々な樹種の木材を採用するなど、ビル内の随所に無垢材を使用しています。このように、自然素材ならではの味わいや落ち着きを感じていただけるような商品を展示するとともに、お客様のニーズに応じたご提案を行っています。

 当社では、今後も本社ビルをショールーム機能として活用し、木材の様々な活用方法について提案することで、木材利用を更に推進していく方針です。木材利用をご検討の際には、ぜひ一度本社ビルをご見学ください。

会議用テーブル 本棚比較