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林野庁 「スギ人工林伐採重点区域」を公表 全国のスギ人工林の約2割を設定
林野庁はこのほど、花粉症対策の一環として各都道府県において設定された「スギ人工林伐採重点区域」を公表しました。
2023年10月に政府より公表された「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」では、花粉症の発生源対策として「スギ人工林伐採重点区域」を設定し、スギ人工林の伐採・植え替えを重点的に進めることが示されました。
重点区域は、香川県と沖縄県を除く45都道府県において設定され、県庁所在地や政令指定都市から50㎞圏内に位置する森林区域など、人口の多い都市部周辺のエリアを対象としています。設定された人工林の合計面積は97万8,563haとなり、全国のスギ人工林の約2割の面積にあたります。同庁は各都道府県に対し、設定した重点区域においてスギ人工林の伐採・植え替えが集中的に実施されるよう、森林所有者、森林組合などの林業経営体や市町村などに対して協力を求めることに加え、林業経営体への森林の集約化や植え替えの支援に努めることとしています。
政府は今後、重点区域の設定に伴い、伐採面積の拡大や花粉の少ない苗木・他樹種への植え替え等を進めることにより、スギ人工林の減少スピードを約2倍にすることを目指すとしています。また、これらの発生源対策に加え、スギ花粉の飛散防止剤の実証試験の実施などの飛散対策、花粉症の治療のための体制整備や適切な情報提供などの発症・曝露対策も併せて実施する方針です。