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ニュース&レポート

ナイス㈱ ウッドデザイン賞2023「Gywood®テーブル用天板」 最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞

  「ウッドデザイン賞2023」に応募した「Gywood®テーブル用天板」がこの度、総応募数355点の中から最も優れた作品4点に贈られる最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。今回は、同作品の特長や導入事例などについてご紹介します。

スギ大径木を活用したテーブル用天板

 この度、「ウッドデザイン賞2023」で最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞した「Gywood®テーブル用天板」は、表面の軟らかさや傷の付きやすさ等が懸念されるスギの大径木に当社独自の表層圧密技術「Gywood®」を施すことで、スギ本来の軽さや熱伝導率の低さ、衝撃吸収性はそのままに、表面の強度・硬度を向上させたテーブル用天板です。美しい木目の意匠性や質感、風合いを保ちつつ、一枚ごとに異なったデザインとなり、無垢材ならではの心地良さを感じられます。既存の会議用テーブルや学習机の天板を取り外して工事不要で取り換えることができるため、簡単にオフィスや学校でのウッドチェンジが実現できます(図1)。針葉樹本来の軽さが保たれているため、お子様でも持ち運びができるほか、特に肌に触れる機会が多いテーブルに同天板を用いることで、視覚、触覚、嗅覚を程よく刺激し、天然木本来の効能により、作業時における集中力の向上やリラックス効果が期待されます。

家具メーカーとのコラボ製品開発事例

 また、政府より今年10月に発表された「花粉症対策初期集中対応パッケージ」において、花粉症発生源対策としてスギ人工林の伐採・植え替え等の加速化が掲げられる中、新たな使用用途を創出することでスギの需要拡大、利用促進に貢献することが可能となります。

ファブレスメーカーとして付加価値を追求

 「Gywood®」は、軟らかさなどの特徴から用途が限られるスギの大径木について、価値向上と利用促進を図るために開発されました。大径木の板材への製材は、一本一本の丸太に対してどう木取りをするのかの判断が重要となり、熟練工による目利きの技術が必要となるほか、乾燥、表層圧密加工、木地加工と、製造過程の各段階でいずれも高い技術が求められます。このような高度な製造は、地域の林業家や製材所、木材加工事業者様との連携で成り立っており、ファブレスメーカーとして各プレイヤーと緊密に連携を図ることで付加価値の高い商品開発に取り組んでいます。更に、これらの製造過程を通して地域林業の活性化に貢献できるよう努めています。スギ大径木の付加価値向上を図ることで、川上から川下までのサプライチェーンを通じて各プレイヤーが適正に利益を確保できる仕組みを構築し、山元への利益還元により森林の循環利用に貢献することを目指しています。

 そのほか、製造過程においては、無垢材の良さを生かすため、加工段階で樹脂や化学製品などを一切使用しないノンケミカルな製法を採用しており、環境にも優しい無添加の素材となっています。

会議用テーブルの木質化により環境負荷軽減に貢献

 当社の会議室で使用している既存会議用テーブル45台の天板及び幕板を全て同製品に取り替えたことで、室内の炭素貯蔵量は約1,735.65kg-CO2となり、環境負荷軽減に貢献することが可能となったほか、会議室の利用者からは、会議用テーブルの木質化により集中力の向上やリラックス効果が感じられるとの感想が聞かれました(図2)。

会議用テーブルウッドチェンジ

 学習机に同製品を採用した徳島県の小学校では、児童から、触り心地の良さや無垢材ならではの美しい木目に好意的な感想が寄せられました。また、一般的には節の少ない木材ほど価値が高いとされていますが、児童にとっては、逆に節の出方や木目のデザインの違いで自分の机を識別し、愛着を持てるようになるなど、木材の価値や可能性に更なる広がりが見られました(図3)。

学習机ウッドチェンジ

 今後は、同製品の更なる価値向上に向けた研究・開発を行い、用途を更に拡大することで利用促進を実現し、スギに対する固定概念を払拭するとともに森林保全に貢献いたします。

脱プラ木質化RDセンター囲み

>Gywood®︎ 公式サイト

>ObiRED®︎ 公式サイト