閉じる

ニュース&レポート

  • トップ
  • ニュース&レポート
  • (一社)住宅生産団体連合会 2022年度「戸建注文住宅の顧客実態調査」 ZEHに対する顧客の関心が大幅に増加

(一社)住宅生産団体連合会 2022年度「戸建注文住宅の顧客実態調査」 ZEHに対する顧客の関心が大幅に増加

 (一社)住宅生産団体連合会は9月25日、2022年度の「戸建注文住宅の顧客実態調査」を公表しました。本調査は、一戸建注文住宅の顧客ニーズの変化を把握することを目的としたものです。今回は、本調査結果の概要から、一戸建注文住宅の平均顧客像の変化や傾向等についてご紹介します。

建築費と住宅取得費がともに増加

 「戸建注文住宅の顧客実態調査」は、一戸建注文住宅に対する顧客ニーズの変化を把握することを目的として、2000年から開始されました。調査対象のエリアは、3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)と、地方都市圏(札幌市、仙台市、広島市、福岡市、静岡市)で、平均顧客像や建築資金・単価、顧客の意識などについて調査・分析がなされています。

 本調査によると、平均顧客像として、2022年度における世帯主年齢の平均は40.6歳となったほか、世帯年収は1,068万円となりました。住宅の延べ床面積は、123.6㎡(前年度比0.9㎡縮小)となり、2015年以降縮小傾向が続いています(図1)。一方で、建築費が4,224万円(同408万円増)、住宅取得費合計が6,370万円(同587万円増)となったほか、1㎡当たりの平均建築費単価は34.2万円(同3.6万円増)となりました(図2)。また、自己資金が1,915万円(同434万円増)、贈与額が1,117万円(同421万円減)、借入金が5,473万円(同506万円増)となり、借入金年収倍率は5.12倍と昨年度を0.12ポイント上回りました。

 世帯年収が増加したものの贈与額が減少し、建築費、住宅取得費ともに上昇し続けていることから、延べ床面積を抑制し、自己資金や借入金を増やすことで対処している傾向が見られました。

平均延床面積の推移

平均建築費単価の推移

省エネ住宅設備機器への関心が増加

 ZEHの検討の有無を見ると、「ZEHにした」が41.5%(同13.6%増)と大幅に増加し、近年の増加傾向が更に強まった結果となりました(図3)。次いで、「検討しなかった」(31.3%)、「検討は行ったがZEHにしなかった」(22.0%)となりました。

ZEHの検討の有無

 住宅購入を検討する上で特に重視した点では、「住宅の間取り」が61.8%と最も高く、次いで「地震時の住宅の安全性」(46.9%)、「住宅の断熱性や気密性」(36.4%)、「住宅の広さ」(35.3%)、「収納の多さ、使いやすさ」(26.6%)となりました。収納の多さや住宅の広さ以上に、断熱性能や耐震性能を重視する顧客が多いことが明らかとなりました。

 特に関心が高かった最新設備・建材・技術では、「太陽光発電パネル」が73.7%と最も高く、次いで「蓄電池」(28.4%)、「全館空調システム」(25.0%)、「メンテナンスフリー外壁」(22.6%)、「燃料電池(エネファーム等)」(18.4%)となりました。「太陽光発電パネル」の増加傾向が続いている反面、かつては2番目に関心が高かった「メンテナンスフリー外壁」の低下傾向が目立ち、今年度は4番目となりました。

(一社)住宅生産団体連合会
https://www.judanren.or.jp/activity/proposal-activity/report03/index.html