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ナイスグループ 徳島文理小学校の学習机に「Gywood®」採用 県産材の利用促進へ地域連携で需要創造
ナイス㈱のオリジナル木材製品「Gywood®」が、私立徳島文理小学校(徳島県徳島市)の学習机の天板として採用されました。今回は、地域連携によって実現した本事例について、採用に至った背景や実際に机を利用する児童の声などを中心にご紹介します。
教育方針に合致した無垢材による天板
「Gywood®」は、スギを中心とした国産針葉樹の無垢材を使用し、独自の技術で表層部を特に圧密して高密度化したものです。表層部と比べて中層部は圧密化の度合いが低く、スギの長所である衝撃吸収性や軽さなどはそのままに、傷が付きにくい硬さを併せ持っています。その特長を生かし、フローリングや階段、テーブルなどの素材として用途が広がっています。
私立徳島文理小学校では、入学から卒業まで同じ机を使用し、卒業時には希望者に対して使用した机と椅子を進呈する取り組みを行っています。また、毎年3年生を対象に、徳島の地場産業である木工や林業について学ぶことを目的に木育教室を実施しており、2018年にはこの取り組みでウッドデザイン賞を受賞しています。地域の林業家や木工技能士などと連携し、森林の機能・循環、環境保全の重要性、木材製品ができるまでを伝えた上で木工体験を行うなど、木を使う意味を啓発しています。学習机については、平等性などの観点から画一的なものが求められるのが一般的ですが、こうした同校の思いから、一つひとつ異なる無垢材による天板が採用されました(図1、2)。
更に、「Gywood®」は表面の硬さと軽さを兼ね備えているため、学習机としての機能性に加え、低学年の児童でも自身で持ち運びができる点も評価されています。
節も利点となる唯一無二の学習机
机を利用する児童からは、「ツルツルして触り心地が良い」「シマシマ(木目)がきれい」「木の素材に癒される」など、滑らかな触り心地や美しい木目などの特長に対して、好意的な感想が寄せられています(図3)。また、卒業まで同じ机を利用し続けることから、木目や葉節の出方などで自分の机を識別している点も印象的です。一般的には、節の少ない木材ほど価値が高いとされていますが、児童にとっては、逆に節があることで自分の机に愛着を持てるようになるなど、木材の価値や可能性に更なる広がりを感じさせる事例となっています。
同校の長井明福校長は、「卒業までの6年間、同じ机を使うことで、物は大切にすれば長く使えるということを子どもたちに学んでもらっています。木育教室も含め、当校の教育方針に合致するご提案であったため、導入させていただきました。木目がそれぞれ違う自分の机を一つきりと捉え、一人一人違った存在をお互いに認め合い、支え合うという心情を育む上でも、意味深い取り組みであると考えています。来年度以降も、継続して取り組んでいきたいと考えています。」と話されました(図4)。
徳島県のバックアップにより県産材で製作
本事例は、「とくしま木質化木造化推進協議会」のメンバーであり、同校の同窓会長も務める亀井林業㈱代表取締役の亀井裕人氏のご紹介によって実現しました。当社のグループ会社であるウッドファースト㈱も参画する同協議会では、林業家や建築家、製材工場、工務店、木材流通業者、地域情報発信メディアなど、多様なプレイヤーが個々の強みを生かし、価値のある木造化・木質化に向けて活動しています。県産材の適切な利用によって環境保全と地域経済の活性化に貢献するべく、店舗や商業施設、集合住宅など、様々な建築物への木材利用を提案しており、今回の取り組みについても同協議会の活動の一環として具現化されました。
また、学習机の製作に当たっては、徳島県による補助事業「とくしま木づかいプロダクト開発等支援事業」が活用されています。同事業は、徳島ならではの県産材製品の需要創出を図るため、県産材を活用した新たな製品開発等を対象に補助がなされるものです。地域の企業や行政、学校が一体となって実現につながった事例として、来年度以降も継続して実施される予定です。今後、100%徳島県産材で製作することを前提として、地元の素材生産者様や製材工場様との連携を強化するなど、地域一体となって取り組みが推進されます。