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ナイス株式会社 第74期(2023年3月期)決算発表
経営成績に関する説明
当連結会計年度における日本経済は、コロナ禍にありながらも社会経済活動の正常化が進み、内需を中心に持ち直しの動きが見られた一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況が続きました。住宅業界においては、新設住宅着工戸数が累計で86万828戸(前期比0.6%減少)となりましたが、資材価格や建築費の高騰などの影響から、持ち家は24万8,132戸(同11.8%減少)にとどまりました。また、木材価格については一昨年の「ウッドショック」による急激な上昇局面から脱したものの、依然として調整局面が続いています。
このような環境の中、当社グループは木材の取り扱いを強化するほか、ストック型社会の形成に向けた長寿命な住まいづくりの推進など、2021年5月12日公表の中期経営計画に掲げた諸施策を実行してまいりました。その結果、当社グループの連結会計年度における売上高は2,363億29百万円(同3.0%増加)、営業利益は52億92百万円(同48.2%減少)、経常利益は49億49百万円(同48.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億80百万円(同15.7%減少)となりました。
【建築資材事業】
建築資材事業については、森林資源の循環利用に向けたサプライチェーンの構築を推進するとともに、「国産材プレミアムパッケージ」の提案・普及を通じて木造住宅における国産材比率の向上に努めたほか、非住宅分野における木造化・木質化の促進に向けた取り組みを推進しました。また、工務店様のZEHの取り組みを一気通貫でサポートする「スマとく」の提供などにより、省エネルギー建材・設備及びエネルギー関連商材の販売が順調に推移しました。
これらの結果、売上高は1,846億32百万円(同1.7%増加)となり、営業利益は40億68百万円(同61.7%減少)となりました。前期における木材価格の高騰からの調整局面が続いたため、木材部門の利益率は低下したものの、建築資材事業の業績は堅調に推移し、営業利益は「ウッドショック」の影響を受けた前期を除き過去最高水準となりました。
【住宅事業】
住宅事業については、マンション事業において免震マンション3棟が全戸計上となったほか、一戸建住宅事業において、当社が競争優位性を発揮できるエリアに特化した事業展開の推進により利益水準が回復しました。また、既存住宅流通事業においては、「横浜・川崎」エリアを中心に、住まいに関するワンストップソリューションの提供に努めました。
これらの結果、売上高は415億30百万円(同10.5%増加)、営業利益は17億56百万円(同472.7%増加)となりました。
【その他の事業】
その他の事業については、売上高は101億66百万円(同2.5%減少)、営業利益は13億29百万円(同6.4%増加)となりました。
今後の見通し
2024年3月期の連結業績予想については、売上高2,440億円、営業利益45億円、経常利益40億円、親会社株主に帰属する当期純利益38億円を見込んでいます。1株当たりの配当金額は、中間配当金20円、期末配当金30円とし、年間配当金50円としています。