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ニュース&レポート

国土交通省 空き家対策小委員会取りまとめ 空き家の有効活用・適切な管理等を促進

早い段階での空き家活用が基本

 国土交通省は1月31日、空き家対策小委員会の第4回会合を開催し、今後の空き家対策のあり方について取りまとめました。本委員会は、国内における空き家の総数が更に増加する見込みであることを踏まえ、空き家の発生抑制や利活用、適切な管理・除却に向けた取り組みの強化について検討することを目的に、昨年10月に設置されて以降、議論が進められてきました。

 本取りまとめでは、空き家は個人の問題にとどまらず地域の問題であり、周囲に著しく悪影響を及ぼす特定空き家等になってからの対応では限界があることから、対策の充実及び強化が不可欠であると述べています。対策の基本的な方向性として、活用が困難な空き家の除却等の取り組みを一層進めていくほか、空き家をなるべく早い段階で活用することを基本として、所有者や活用希望者の判断の迅速化、空き家の有効活用及び適切な管理を促進し、地域経済の活性化につなげることなどが示されました。これらの実現に向けて、法制度、予算、税制等の様々な政策ツールを活用し、官民が連携して総合的に取り組みを推進していく考えです。

活用需要の掘り起こしとマッチングを促進

 今後の空き家対策として、「発生抑制」「活用促進」「適切な管理・除却の促進」「NPO等の民間主体やコミュニティーの活動促進」の四つが掲げられました。

 「発生抑制」については、住宅を空き家にしないための所有者や家族の意識の醸成に向けて、「終活」としての空き家対策の重要性や空き家リスク等に対する意識の啓発や、自治体やNPO等と専門家の連携により、セミナーや相談会の実施などの取り組みが進められる方針です。また、所有者のニーズに応じて死後に空き家としない仕組みとして、リバースモーゲージ等の活用の円滑化が図られます。

 「活用促進」については、相続人への意識の啓発や相続時の譲渡等の促進に向けて、自治体やNPO等による空き家リスクや相談先の周知がなされるほか、相続する空き家の早期譲渡を促すインセンティブの拡大等が検討されます。また、空き家の流通及び活用の促進に向けて、全国版空き家バンクの普及や、地域ニーズに応じた活用需要の掘り起こし、マッチングの促進などが図られます。

今後の空き家対策

固定資産税の優遇措置から除外

 「適切な管理・除却の促進」については、活用困難な空き家の除却への支援など、所有者の主体的な対応を後押しする取り組みに加えて、市区町村による積極的な対応を可能とする取り組みがなされます。具体的には、特定空き家となるおそれのある空き家の所有者に適切な管理を促す仕組みとして、固定資産税の住宅用地特例の解除が盛り込まれます。加えて、緊急時の代執行など、市区町村が特定空き家を対象に行う措置をより円滑化する仕組みについても検討されます。

 「NPO等の民間主体やコミュニティーの活動促進」については、民間主体による所有者へのきめ細やかな対応や市区町村の取り組みを補完する取り組みのほか、地域コミュニティーを巻き込んだ空き家対策が促進されます。

 同省では、本取りまとめに基づき、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」として今通常国会へ提出する予定です。

>国土交通省HP(空き家対策小委員会)