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国土交通省 経済産業省 環境省 3省連携により住宅の省エネ化へ支援強化
10月28日に閣議決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」では、家庭における省エネ投資について規制・支援一体型で促進し、住宅の断熱性能の向上や高効率給湯器の導入など、住宅の省エネ化への支援を強化することとされました。これを踏まえ、国土交通省、経済産業省、環境省ではそれぞれ新たな補助制度を創設し、これらをワンストップで申請可能とするなど、3省連携により住宅の省エネ化を支援する方針です。各事業における補助対象や補助額などの概要についてご紹介します。
こどもエコすまい支援事業
国土交通省
「こどもエコすまい支援事業」では、住宅取得者となる子育て世帯または若者夫婦世帯による、自ら居住することを目的とした注文住宅の新築及び新築分譲住宅の購入のほか、世帯を問わず、工事施工業者に発注して実施するリフォーム工事を対象に支援がなされます。
新築住宅のうち補助の対象となるのは、強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有する住宅(ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Oriented、今年10月1日以降に認定申請された長期優良住宅等)で、補助額は一戸当たり100万円となります。また、リフォーム工事については、①開口部の断熱改修、②外壁、屋根・天井または床の断熱改修、③エコ住宅設備の設置のいずれかに該当するリフォーム工事を含んでいることを必須とし、住宅の子育て改修やバリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等に対して、一戸当たり30万円を上限に補助がなされます。ただし、「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業」または「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」により住宅の省エネ改修を行う場合は、①~③の工事は行ったものとして取り扱われます。なお、子育て世帯または若者夫婦世帯によるリフォーム工事については上限が45万円となり、更に既存住宅の購入を伴う場合には、60万円まで引き上げられます。また、その他の世帯については、中古住宅を購入してリフォームする場合には上限が45万円となります。
補助対象期間については、2022年度第2次補正予算案の閣議決定日(11月8日)以降に契約を締結し、原則として事業者登録の申請日以降に着工した住宅の新築・リフォーム工事が補助の対象となります。ただし、「こどもみらい住宅支援事業の登録事業者が補助申請を行う工事については、11月8日以降に契約を締結し、今年の12月中旬を予定している本事業の事務局開設日以降に着工したものが対象となります。
高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業
経済産業省
「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業」では、家庭のエネルギー消費において大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行うことで、「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」の達成に貢献することが目指されます。
補助金支給の対象となる給湯設備と補助額については、水素と空気中の酸素の化学反応により発電する「家庭用燃料電池」に一台当たり15万円、エコキュート等の「ヒートポンプ給湯器」、ヒートポンプ給湯器とガス温水機器を組み合わせた「ハイブリッド給湯器」に同5万円がそれぞれ支給される予定です。なお、申請手続きについては、消費者と契約を締結した事業者等が代行することとされています。
>経済産業省 ⾼効率給湯器導⼊促進による家庭部⾨の省エネルギー推進事業費補助⾦の概要
住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等
経済産業省・環境省
「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入推進事業等」では、既存住宅において熱損失が特に大きい窓の断熱性能を高めることによって、冷暖房費負担の軽減など、エネルギー価格高騰への対応を強化するほか、2030年度の家庭部門におけるCO2排出量の約7割削減(2013年度比)、2050年のストック平均におけるZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的としています。
対象となるのは、既存住宅における窓の断熱改修工事のうち、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるなど一定の基準を満たすものです。一戸当たり200万円を上限として、対象住宅のタイプに応じて窓の大きさ及び改修方法に基づいて補助がなされます。