閉じる

ニュース&レポート

  • トップ
  • ニュース&レポート
  • 国土交通省 経済産業省 改正建築物省エネ法を受け、省エネ基準等を議論 ZEH普及促進に向けて適合確認を容易に

国土交通省 経済産業省 改正建築物省エネ法を受け、省エネ基準等を議論 ZEH普及促進に向けて適合確認を容易に

改正建築物省エネ法を踏まえた合同会議を実施

 国土交通省と経済産業省は7月11日、6月17日に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(改正建築物省エネ法)」を踏まえた2省合同会議を開催しました。

 本会議では、同改正法によりエネルギー消費の約3割を占める建築物分野における省エネ対策の加速の必要性が示されたことなどを受け、住宅・建築物における省エネ基準の見直しについて議論がなされました。具体的には、分譲マンションの住宅トップランナー基準、住宅における誘導仕様基準の新設、大規模非住宅建築物の省エネ基準の引き上げ等について検討がなされ、今後の方向性が示されました。

ZEH水準の仕様基準を新設

 2030年度以降新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能の確保を目指すことを受け、特に着工件数の多い住宅において、省エネ計算によらずZEH水準の省エネ性能(誘導基準等)の適合確認が可能となる仕様基準(誘導仕様基準)を設定する案が示されました。

 現行の省エネ基準では、パソコン等で精微に評価を行う標準計算や、手計算で評価を行うモデル住宅法など、性能基準のほか、性能ではなく仕様で判断する仕様基準が設けられています。一方、誘導基準であるZEH水準の省エネ性能については、性能基準のうち標準計算のみの評価となっているものを、省エネ基準同様、仕様基準を設ける方向で検討が進められています。

 誘導仕様基準の新設によって想定される主な効果としては、計算に不慣れな設計者等の利用による住宅の省エネ性能のボリュームゾーンのレベルアップや、性能向上計画認定・低炭素建築物認定・補助金等の誘導措置に関する適合確認の簡素合理化、将来的な義務基準の引き上げ後の基準適合確認の簡素合理化が挙げられています。

誘導仕様基準イメージ

大規模非住宅建築物の省エネ基準引き上げ

 また、省エネ基準適合義務化が先行している大規模非住宅建築物については、2024年度以降に省エネ基準の引き上げを目指す方針です。基準については、工場等はBEI※ 0.75以下、百貨店や学校、事務所、ホテル等はBEI 0.8以下、病院や飲食店、集会所等はBEI 0.85以下とする案で検討が進められています。

 本会議では、住宅の誘導仕様基準の新設については今秋の施行を、大規模非住宅建築物の省エネ基準の引き上げについては2024年春ごろの施行を目指して、具体化の検討を進めていく方針です。

国土交通省 建築物エネルギー消費性能基準等小委員会(過去の開催状況)