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林野庁 「林産物に関するマンスリーレポート(仮称)」を創刊 木材需給・価格動向等の幅広い情報を定期発信へ

 林野庁は9月17日、木材産業の動向等に関する主要なデータについて毎月発表する「林産物に関するマンスリーレポート(仮称)」の創刊を発表しました。今回は、同レポートの概要についてご紹介します。

創刊準備号では農林業センサスを特集

 「林産物に関するマンスリーレポート(仮称)」は、林業・木材産業関係者の事業活動に役立ててもらうことを目指し、木材需給、木材価格、木材産業の動向等に関するデータを集約・整理し、林野庁が毎月定期的に公表するもので、創刊発表と同日の9月17日に創刊準備号が同庁ホームページに掲載されました。この創刊準備号では、基礎的指標、木材価格情報、木材需給情報、林産物輸出入情報、特用林産情報の主要5項目のほか、「2020年農林業センサス概要」「需給情報連絡協議会」「民間建築物等における木材利用促進に向けた協議会(ウッド・チェンジ協議会)」「木材利用促進月間(10月)」の取組」の四つについて特集されています。

 特集のうち、農林業センサスとは、日本の農林業の生産構造や就業構造、農山村地域における土地資源など、農林業・農山村の基本構造の実態とその変化を明らかにし、農林業施策の企画・立案・推進のための基礎資料となる統計を作成し、提供することを目的に、5年ごとに行う調査です。今回は、今年4月に公表された2020年2月時点における調査結果について、林家数及び保有山林面積、林業経営体数及び保有山林面積の推移などについて、概要がまとめられています。

木材産業の基礎的資料を幅広く集約

 基礎的指標では、①新設住宅着工戸数、②木材産業の業況、③USドル及びユーロ為替相場、④米国民間新設住宅着工戸数、日本向けコンテナ運賃、⑤EUにおける建設活動水準、中国の針葉樹丸太輸入量についてまとめられています。例えば、新設住宅着工戸数では、2018年からの月別の推移についてビジュアル化するとともに、構造別、利用関係別の着工戸数の動向等についても分析されています(図1)。そのほか、輸入材の価格等に影響を与える、為替相場や日本向けコンテナ運賃の推移についても、データが公開されています。

 木材価格情報では、①スギ・ヒノキ原木の主要市場価格、②木材価格、製品価格の動向をまとめています。このうち、2021年のスギの原木価格については、例年であれば春から梅雨時期にかけて原木価格が下落する時期にもかかわらず、4月以降、上昇が見られる地域が多く見られること、九州地域では価格が高騰したものの、直近では下落傾向も見られることなどが述べられています(図2)。更に、直近のスギ原木価格については、前年同期比25%から62%増となったことなどが示されています。

新設着工戸数の推移

スギ原木の主要市場価格

製材品の出荷量はコロナ禍前の水準に

 木材需給情報では、①木材需要量、供給量、自給率の動向、②製材工場の原木入荷、製品生産等の動向、③合板工場の原木入荷、製品生産等の動向、④チップ工場の原木入荷、製品生産等の動向、⑤間伐材等由来の木質バイオマス燃料利用量、紙品種別生産高に関する情報が提供されます。このうち、製材工場の原木入荷、製品生産等の動向については、製材品の生産量及び出荷量が今年1月から増加傾向で、5月は減少したものの、6月は再び増加に転じ、コロナ禍前の水準となっていること、更に、原木の入荷量及び消費量においても今年1月から増加傾向にあり、5月は減少したものの6月は再び増加に転じたことなどが、情報として公開されています(図3)。

 そのほか、林産物輸出入情報では、①林産物輸出額、②木材輸出額、③木材輸入額、④木材輸入量、⑤製材、構造用集成材の輸入平均単価について、特用林産情報では、①特用林産物の国内生産量、②特用林産物の林業産出額、③特用林産物の輸出入量、④特用林産物の輸出額、⑤きのこ類の卸売量・価格について、最新の動向が紹介されています。

 林野庁では今後、読者の意見を踏まえながら改善し、幅広い情報を提供していくとしています。

製材工場の原木入荷製品生産等の動向

林産物に関するマンスリーレポート(仮称)

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/toukei/monthlyreport.html