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「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」取りまとめ 2030年に新築住宅の6割に太陽光発電設置

2050年・2030年の住宅・建築物のあり方示す

 国土交通省、経済産業省、環境省は8月23日、全6回にわたり開催してきた「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」における議論を取りまとめ、公表しました。

 本取りまとめでは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの基本的な考え方として、住宅・建築物において、省エネ性能の確保・向上による省エネルギーの徹底と、再生可能エネルギーの導入拡大が求められるとした上で、2050年及び2030年に目指すべき住宅・建築物の姿が示されました。これと併せて、2050年までの省エネ対策等のあり方・進め方に関するロードマップも公表されています。

 2050年に目指すべき住宅・建築物の姿としては、ストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能※1を確保するとともに、導入が合理的な住宅・建築物において、太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となることを掲げています。その上で、2030年に目指すべき住宅・建築物の姿として、これまでの議論の過程で示されてきた、利用可能な技術を最大限活用し、新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能※2を確保することに加え、新築一戸建住宅の6割で太陽光発電設備の導入を目指すことが新たに盛り込まれました。

ボトムアップ・レベルアップ・トップアップの取り組み実施

 住宅・建築物における省エネ対策の強化については、省エネ性能の底上げを図る「ボトムアップ」、省エネ性能のボリュームゾーンをZEH・ZEB基準の水準に引き上げる「レベルアップ」、より高い省エネ性能を実現する「トップアップ」の三つの段階で進めることが示されています。

 まず、2025年度までに住宅を含む省エネ基準への適合義務化によりボトムアップを図るとし、その上で、建築物省エネ法に基づく誘導基準や、長期優良住宅等の認定基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能に引き上げることでレベルアップを図るとしています。そして、これらの取り組みを経て、大規模建築物から省エネ基準を段階的に引き上げ、遅くとも2030年までに、誘導基準への適合率が8割を超えた時点で、義務化された省エネ基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能に引き上げるとしています。更に、住宅性能表示制度における断熱性能の上位等級を設定するなど、トップアップとしての取り組みを示しました。

 このほか、再生可能エネルギーの導入拡大については、太陽光発電設備の設置義務化についても将来的な選択肢の一つとし、設置促進のための取り組みを進めるとの方向性を示しています。

 各省では今後、本取りまとめに位置付けられた取り組みについて、それぞれ具体化を進めていく方針です。

取りまとめのポイント

国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001027.html

※1 ストック平均で住宅については一次エネルギー消費量を省エネ基準から20%程度削減、建築物については用途に応じて30%または40%程度削減されている状態
※2 住宅:強化外皮基準及び再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準値から20%削減 建築物:同様に用途に応じて30%削減または40%削減(小規模は20%削減)