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(一財)建設経済研究所 建設経済モデルによる建設投資の見通し 2021年度の新設住宅着工戸数は84.5万戸と予測
(一財)建設経済研究所及び(一財)経済調査会は7月29日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を発表しました。同レポートは、需要動向や金利、景気の動向などを踏まえて、年度別・四半期別の建設経済の予測を示すものです。
これによると、2021年度の建設投資については、前年度比0.3%減少の62兆9,600億円となる見通しを示し、4月28日に公表した前回予測から8,600億円を上方修正しました。このうち、政府建設投資については、24兆9,100億円と前年度比2.7%減少を予測し、前回予測から800億円下方修正しました。一方、民間建設投資については、輸出や生産の回復や、国内経済活動の持ち直しにより増加すると見通し、民間住宅投資が同3.4%増加の15兆7,700億円、民間非住宅建設投資が同1.4%減少の16兆6,300億円と予測し、それぞれ7,100億円と1,700億円を前回予測から積み上げました。また、建築補修(改装・改修)投資については、全体では3.4%増加の6兆9,200億円、政府が同1.6%増加の1兆2,700億円、民間が3.9%増加の5兆6,500億円と見通しています。
2022年度の建設投資については、前年度比1.7%減少の61兆8,700億円と予測しています。このうち、政府建設投資が同5.5%減少の23兆5,300億円で、民間建設投資のうち、民間住宅投資が同1.8%減少の15兆4,900億円、民間非住宅建設投資が同2.0%増加の16兆9,600億円と予測しています。また、建築補修(改装・改修)については、全体で同4.8%増加の7兆2,500億円で、政府が同7.1%増加の1兆3,600億円、民間が4.2%増加の5兆8,900億円と見通しています。
新設住宅着工戸数については、2021年度は前年度比4.1%増加の84.5万戸と、前回予測の80.4万戸から上方修正しました。2022年度については、新型コロナウイルス感染症の影響は落ち着くものの、住宅取得支援策の終了などの影響を受け、同1.5%減少の83.2万戸と見通しています。
区分別に見ると、持ち家については、2021年度は年度末に住宅取得支援策の終了に伴う駆け込み需要があることなどを想定して同5.3%増加の27.7万戸、2022年度はその影響を受けることから同1.8%減少の27.2万戸と微減の予測を示しました。貸家については、2021年度が同3.0%増加の31.2万戸、2022年度が同0.6%減少の31万戸と予測しています。分譲住宅については、2021年度が同4.6%増加の25万戸、2022年度は持ち家と同様に減少に転じ、同2.4%減少の24.4万戸と見通しています。
建設経済モデルによる建設投資の見通し(2021年7月)
https://www.rice.or.jp/wp-content/uploads/2021/07/Model20210729.pdf