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ナイス株式会社 2021年3月期決算と新たな中期経営計画を発表
連結業績予想の上方修正と記念配当を実施
ナイス㈱は5月12日、東京証券取引所において、2021年3月期の決算発表を行いました。
同時に開示した「通期業績予想と実績との差異及び配当予想の修正(創立70周年記念配当)に関するお知らせ」では、昨年11月2日付の「業績予想及び配当予想に関するお知らせ」における連結業績予想について上方修正を行うとともに、配当予想についても当初公表していた普通配当15円の復配に加え、記念配当15円を実施して増配とし、当期末の1株当たりの配当予想を30円に修正しました。
2021年3月期の経営成績の概況
当連結会計年度における売上高は2,140億69百万円(前期比14.9%減少)、営業利益は44億93百万円(同273.5%増加)、経常利益は39億42百万円(同1004.2%増加)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は20億17百万円(前期より58億4百万円増加)となりました。
【建築資材事業】
建築資材事業の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い新設住宅着工戸数が対前期比8.1%減となったことなどにより、1,561億90百万円(前期比9.1%減少)となりました。一方、感染拡大防止の観点から規模の大きなイベントを通じた営業活動を自粛した中、2月には初の試みとして木材の販売促進を目的としたウェブによる展示会「木フェスTM」を開催しました。また、マーケットの変化に伴いホームセンター向けの売り上げが伸長したことや、オンライン受発注システム「ナイスアドバン」の積極的な活用を行ったほか、営業インフラ等を整備しテレワークを促進したことなどにより収益性が改善し、営業利益は31億44百万円(同6.4%増加)となりました。
【住宅事業】
住宅事業の売上高は、一戸建住宅の計上戸数が前期から205戸減少したことなどにより、480億10百万円(同32.0%減少)となりました。一方、マンション部門および一戸建住宅部門の収益率がともに改善したほか、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点を踏まえて販売キャンペーン等をはじめとする営業活動の見直しを図り、インターネットやバーチャル・リアリティー映像を活用した販売活動およびテレワークを促進したことなどに加え、販売用不動産の売却もあり、営業利益は22億1百万円(前期より28億26百万円増加)となりました。
【その他の事業】
その他の事業には、一般放送事業(有線テレビ放送事業)等の生活関連サービス事業、建築工事事業等が含まれております。一般放送事業を行うYOUテレビ㈱や、ソフトウェア開発事業およびシステム提供事業を行うナイスコンピュータシステム㈱が順調に推移したことにより、売上高は98億67百万円(前期比8.8%増加)となり、営業利益は8億59百万円(同75.9%増加)となりました。
2021年3月期の財政状態の概況
連結財政状態について、総資産は1,438億74百万円(前期末比47億76百万円減少)、負債は1,047億13百万円(同79億44百万円減少)、純資産は391億60百万円(同31億68百万円増加)となりました。また、自己資本比率は25.2%(前期末は21.9%)となりました。
2022年3月期の連結業績の見通し
2022年3月期の連結業績予想については、売上高2,050億円(※)、営業利益32億円、経常利益26億円、親会社株主に帰属する当期純利益18億円を見込んでいます。年間配当予想については、1株当たり15円の配当となっています。
※2022年3月期より、会計基準の変更に伴い木材市場部門の売上高が「売上総利益額」となるため、売上高については大幅に変動した金額となります。同基準を適用した場合の2021年3月期の売上高は2,073億円となります。
2024年3月期までの中期3カ年経営計画を策定
ナイス㈱は、2021年3月期決算発表と併せて、同日付で「中期経営計画の策定について」を開示し、2022年3月期から2024年3月期までの3カ年を計画期間とする新たな中期経営計画を発表しました。
本中期計画では、最終年度である2024年3月期について、売上高2,300億円、営業利益50億円、経常利益45億円、親会社株主に帰属する当期純利益35億円を定量目標としています。
また、財務指標については、本計画最終年度には自己資本比率30%、D/Eレシオ1倍以下、ROE8%を目標としています。
現在、企業を取り巻く環境は、世界規模での気候変動やそれに伴う自然災害の激甚化、加えて新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、環境意識の高まりや急速なDX(デジタルトランスフォーメーション)化など、想定を超えるスピードで変化しています。更に、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けては、住宅・建築業界および木材業界に求められる役割は非常に大きいものとなっています。
こうした中、創立70周年を迎えたナイス㈱では、本年度を「新創業」の年と位置付け、事業環境の大きな変化を新たな企業価値創造の機会としてとらえ、経済価値のみならず、SDGsやESG経営を通じて社会価値・環境価値を重視し、様々な社会課題解決の一翼を担うことで企業価値の持続的な向上を目指します。
中期経営計画 基本方針
・積極的な木材利用の促進および良質な住宅の供給等を通じて持続的な成長を実現するとともに、地球温暖化防止等の環境問題への取り組みや持続可能な社会の形成に貢献するなど、経済価値・社会価値・環境価値を創出するSDGsおよびESG経営への取り組みを強化し、収益性を向上させることで、より企業価値を高めてまいります。
・持続可能な社会の構築に向けた取り組みとして、我が国の潤沢な資源であり、地球温暖化対策として重要な役割を担う木材の取り扱いを強化するほか、木造および木質化された建築物の普及に努めます。
・耐震・健康・省エネに配慮した良質な住宅の供給を継続しつつ、少子高齢化の進行により住宅ストック数が世帯数を上回る時代に対応していくために、住宅ストックの活用および既存住宅流通に係る事業の比重を高めてまいります。
・事業戦略の実現に向けて、IT活用による業務の効率化や生産性の向上を図るほか、DXによる新サービスの開発や新たなビジネスモデルの構築など、競争優位性の確立に向けた取り組みを推進いたします。