ニュース&レポート
環境省・(国研)国立環境研究所 2019年度 温室効果ガス排出量を発表
環境省と(国研)国立環境研究所は4月13日、2019年度の温室効果ガス排出量(確報値)を公表しました。これによると、2019年度の温室効果ガスの総排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で、前年度比2.9%減の12億1,200万トンとなりました。6年連続での減少となり、調査開始以降、前年度に続いて最少値を更新しました。主な減少要因として、製造業における生産量の減少などにより、エネルギー消費量が減少したことや、再生可能エネルギーの拡大などに伴い、電力由来のCO2排出量が減少したことなどが挙げられています。
主な部門別のCO2排出量は、工場等の「産業部門」が同3.8%減の3億8,400万トン、自動車等の「運輸部門」が同2.1%減の2億600万トン、商業やサービス業等の「業務その他部門」が同3.6%減の1億9,300万トン、「家庭部門」が同4.2%減の1億5,900万トン、発電所や製油所等の「エネルギー転換部門」(電気熱配分統計誤差を除く)が同4.8%減の8億9,300万トンとなりました。
パリ協定に基づき、日本国内では、2030年度の温室効果ガスの総排出量を2013年度比で26.0%削減する目標を掲げています。これに対し、2019年度時点では2013年度比で14.0%の削減となりました。また、2019年度の京都議定書に基づく吸収源活動による吸収量は4,590万トンで、うち森林吸収源対策によるものは4,290万トンとなっています。
4月22日には、政府は地球温暖化対策推進本部を開催し、2030年度の削減目標について、2013年度比で46%削減にまで引き上げることを表明しました。菅義偉首相は同日の会見で、11月に開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に向け、「50%の高みに向けて挑戦を続けていく」と述べています。
環境省