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(一財)建設経済研究所 建設経済モデルによる建設投資の見通し 2021年度予測、 マイナス幅縮小で上方修正

21年度予測は第3次補正等受け政府建設投資引き上げ

 (一財)建設経済研究所および(一財)経済調査会は1月27日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」を発表しました。同レポートは、需要動向や金利、景気の動向などを踏まえて、年度別・四半期別の建設経済の予測を示すものです。今回の発表は、四半期別GDP速報の2020年7~9月期・2次速報を反映させた予測結果となります。

 これによると、2020年度の建設投資は、前年度比3.1%減少となる63兆3,500億円となる見通しが示されました。政府建設投資が25兆8,800億円と同4.1%の増加となる見込みである一方、新型コロナウイルス感染症の影響等により、民間住宅投資が同7.5%減の15兆1,200億円、民間非住宅建設投資が同4.1%減の16兆8,000億円と、民間建設投資の減少が予測されています。また、民間建築補修(改装・改修)投資については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、民間建築物の改装・改修工事の受注高が減少していることから、同16.7%減の5兆5,500億円と、昨年10月の前回調査から5,100億円予測が引き下げられました。

 2021年度の建設投資は、前年度比2.4%減の61兆8,000億円となる見通しで、前回調査より3兆6,200億円上方修正されました。これは、2020年度第3次補正予算の編成等を受け、政府建設投資の引き上げ分が反映されたものです。政府建設投資は同2.0%減の25兆3,500億円、民間建設投資のうち民間住宅投資が同4.4%減の14兆4,600億円、民間非住宅建設投資が同2.4%減の16兆4,000億円と予測されています。また、民間建築補修(改装・改修)は同0.7%増と微増し、5兆5,900億円との見通しが示されました。

新設住宅着工戸数は21年度80.2万戸予測

 2020年度の新設住宅着工戸数については、新型コロナウイルス感染症の影響により減少しているものの、持ち家や分譲マンションに回復の兆しが見られるとして、前年度比8.7%減の80.7万戸と前回調査の79.7万戸から予測を引き上げました(図)。2021年度は、徐々に回復する見込みとしつつ、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や、雇用情勢の悪化等により、回復のスピードは緩やかなものとなるとし、同0.6%減の80.2万戸と予測しています。

 区分別に見ると、持ち家は、2020年度について、年度後半に回復の兆しが見られる一方、政府による住宅取得支援策の順次終了に加え、年度当初の緊急事態宣言等により営業活動が停止したことを受け、同9.7%減の25.6万戸、2021年度は下げ止まり、同0.1%減の25.6万戸と予測しています。貸家は、2020年度は同10.5%減の30.0万戸、2021年度は同1.5%減の29.5万戸の予測となりました。また、分譲住宅は、2020年度は同5.3%減の24.6万戸、2021年度はマンションに回復の兆しがある一方、一戸建住宅は微増にとどまり、同0.2%増の24.6万戸との見通しが示されました。

住宅着工戸数の推移

建設経済モデルによる建設投資の見通し(2021年1月)

https://www.rice.or.jp/regular_report/pdf/forecast/MODEL20210204.pdf