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ナイスグループ 木材と角形鋼管の構造梁を東北で初採用 大空間の遊戯室を木造で実現
宮城県白石市において、木材と角形鋼管を組み合わせた非住宅用の構造梁「エス・ウッド・ビーム・モア」を用いた延べ床面積約900㎡の保育園が上棟しました。「エス・ウッド・ビーム・モア」の東北地方での採用は初となります。
木造で無柱大空間を実現
ナイスグループは、宮城県白石市において、延べ床面積約900㎡の木造保育園「(仮称)白石市深谷保育園」の建築に携わっています。本物件は、学校法人曽根学園様を事業主として、設計を㈱東山設計様、施工を中城建設㈱様が担当しています。ナイス㈱木構造事業部は、構造設計、積算および躯体一式の販売、ナイスプレカット㈱が木材の加工を行いました。
本物件では、子供たちが自由に遊べる無柱の大空間の遊戯室の実現と、建築コストを抑えた経済設計の両立が求められました。この点について、中城建設㈱様および㈱東山設計様よりご相談をいただき、ナイス㈱から木材と角形鋼管を組み合わせた非住宅用の構造梁「S WOOD BEAM MORE(エス・ウッド・ビーム・モア)」を提案し、採用されました。
「エス・ウッド・ビーム・モア」は、日鉄建材㈱様とナイス㈱が共同で開発した構造梁です。角形鋼管の上に木材を重ねた構成で、木造建築が持つ設計自由度の高さと、鋼材が持つ高い強度と剛性という双方のメリットを生かし、床梁として8mスパン、小屋梁として10mスパンを実現することができます。小梁に用いることで木造として建築が可能で、大断面集成材よりも梁せいを小さくでき、更に長期的な変型が抑えられるため、大空間が求められる非住宅分野において木造提案の幅を広げる部材となっています。
本物件では、約164㎡という大空間の遊戯室について、10.92m材を2本、8.19m材を4本使用し、無柱の空間を実現しています。
構造見学会を開催
9月25日には、建設地において構造見学会が開催されました。販売店様や工務店様をはじめ、設計事務所様、建設会社様、行政関係者、報道関係者など、約60人が参加しました。当日は、「エス・ウッド・ビーム・モア」を配した大空間の遊戯室を会場に、施工を担当した中城建設㈱代表取締役の結城創様らにより、本事業や物件概要等が説明されました。
見学会終了後には、「エス・ウッド・ビーム・モア」を用いた設計手法やコストメリットのほか、非住宅の木造化や木材調達などに関して幅広い相談が寄せられました。