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国土交通省 2020年基準地価を公表 新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの下落
国土交通省は9月29日、2020年の都道府県地価調査(基準地価)の結果を発表しました。同調査は、各都道府県が毎年7月1日時点における基準地点の1㎡当たりの土地価格を調査し、同省が取りまとめるもので、毎年1月1日時点の土地価格を公表する公示地価と並んで土地取引価格の指標とされています。
同調査によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、全国の全用途平均が0.6%下落(前年比1.0ポイント減)となり、2017年以来3年ぶりに下落に転じました。用途別では、住宅地が0.7%下落(同0.6ポイント減)と下落幅が拡大し、商業地が0.3%下落(同2.0ポイント減)と2015年以来5年ぶりに下落に転じました。
三大都市圏においては、全用途平均は0.0%(同2.1ポイント減)と横ばいだったものの、住宅地は0.3%下落(同1.2ポイント減)となり、東京圏と大阪圏では7年ぶり、名古屋圏では8年ぶりに下落に転じました。一方、商業地は0.7%上昇(同4.5ポイント減)と上昇を継続したものの、東京圏と大阪圏では上昇幅が縮小し、名古屋圏では8年ぶりに下落に転じています。
三大都市圏以外の地方圏においては、全用途平均が0.8%下落(同0.5ポイント減)となりました。用途別では、住宅地が0.9%下落(同0.4ポイント減)と下落幅が拡大、商業地が0.6%下落(同0.9ポイント減)と昨年の上昇から下落に転じました。このうち、札幌・仙台・広島・福岡の地方四市については、全用途平均が4.5%上昇(同2.3ポイント減)、住宅地が3.6%上昇(同1.3ポイント減)、商業地が6.1%上昇(同4.2ポイント減)と上昇を継続しています。
同省は、この1年間のうち、前半(2019年7月1日~2020年1月1日)は、交通利便性や住環境が優れた住宅地、オフィス需要の強い商業地、訪問客の増加に伴う店舗やホテルの進出が見込まれる地域を中心に、地価の回復傾向が継続していたと分析しています。その上で、後半(2020年1月1日~2020年7月1日)は新型コロナウイルス感染症拡大の影響による先行き不透明感から需要が弱まり、総じて上昇幅の縮小、上昇から横ばいまたは下落への転化となったとしています。