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農林水産省・国土交通省 公共建築物の木材利用状況等 国の公共建築物の木造化率が9割を突破
木材使用料は3割超増加
農林水産省と国土交通省は3月18日、公共建築物等木材利用促進法に基づく、2018年度に国が整備した公共建築物の木材の利用状況等についてのとりまとめを公表しました。
本とりまとめによれば、2018年度において、積極的に木造化を促進するとされている低層(3階建て以下)の公共建築物等のうち、国が整備したものは98棟(対前年度比77.2%)、合計延べ面積は11,957㎡(同83.7%)となりました。このなかには、耐火建築物等とすることが求められるなど、施設が必要とする機能等の観点から木造化が困難だったものが13棟あり、木造化の対象となる低層の建築物は85棟でした。このうち、木造化されたものが77棟、合計延べ面積が9,051㎡となりました。木造化率は前年度の76.9%から13.7ポイント増加して90.6%と、初めて9割を突破しました(図1)。
内装等の木質化を行った公共建築物については、新築等が94棟、改修等が75棟で、合計が169棟(同2棟減)となりました。木造化および木質化による木材使用量については、前年度の3,139m3から大きく上昇し、4,206m3となりました。
国は、今回公表した実施状況を踏まえ、公共建築物等における木材の利用のより効果的な促進に資するため、各省各庁が、各省計画に従って国が整備する公共建築物における木材の利用を確実に推進するとともに、CLT等の新たな木質部材の活用に努めるとしています。更に、農林水産省および国土交通省は、公共建築物の木造化等の取り組みが確実に実施されるよう、施設整備主体への働きかけや新たな取組事例の情報提供などを行うとしました。
建築物全体では6割強
国土交通省の建築着工統計を基に延べ床面積ベースで木造化率を試算すると、建築物全体では42.7%と、前年度の41.9%から0.8ポイント増加しました。このうち、公共建築物については13.1%と、前年度比で0.3ポイント減少しました。公共建築物の木造化率を建築主別で見ると、国が2.7%(前年度比0.8ポイント増)、都道府県が4.0%(同0.3ポイント増)と上昇する一方で、市町村が8.0%(同1.1ポイント減)、民間と個人では18.9%(同0.7ポイント減)と下落しました。
低層の建築物については、全体で63.1%と前年度比で0.7ポイント上昇する一方、公共建築物については26.5%と0.7ポイント減少しました。低層の公共建築物の建築主別では、国が6.8%(同0.4ポイント増)、民間と個人が34.4%(同1.1ポイント増)と上昇しましたが、都道府県が8.6%(同2.3ポイント減)、市町村が16.3%(同2.9ポイント減)と下落しました。
また、都道府県別の木造率は、公共建築物全体では山形県が31.4%で1位となり、21県で上昇、26県で下落しました。低層公共建築物においても山形県が52.1%で1位となり、22県で上昇、25県で下落となりました。
農林水産省 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/eizen09_hh_000020.html